React Native 0.87は2026年8月11日に正式リリースされました。公式環境ガイドが示す通り、Windowsではコード作成を進められますが、iOSのローカルビルドにはXcodeを含むmacOS環境が必要です。React Native 0.87のリリースノートと公式の環境構築要件に基づく最短解は、「普段はWindows、iOS確認時だけMac」という二つの環境を使い分けることです。

症状: Windowsで画面は書けるのに、iOS SimulatorやXcodeのビルドで止まる。
最短解: コードはWindowsで継続し、Macが必要な工程だけリモートMacへ切り替えます。

この手順が向いている人

Windowsしか持っていない学生、React Nativeを初めて学ぶ人、AndroidとiOSの課題を同時に提出する人が対象です。すでに画面を作ったものの、iOS Simulator、ネイティブ依存関係、署名で先へ進めない場合にも役立ちます。

逆に、iOSアプリを毎日長時間デバッグする人や、カメラ・Bluetoothなど物理デバイスを頻繁に使う人は、最初から手元のMacの方が扱いやすい場合があります。

まず知っておくべきWindowsとMacの境界

React Nativeの共通部分は、JavaScriptまたはTypeScriptで記述します。画面、ボタン、状態管理、APIとの通信、入力チェックといった学習は、Windows 11でも進められます。Gitなどのバージョン管理を使えば、後でMacへ同じコードを持っていけます。

一方、iOSアプリをAppleの開発環境で組み立てる工程は別です。XcodeはiOS Simulatorを動かし、ネイティブコードやiOSプロジェクトをビルドする作業場に当たります。Simulatorは「iPhoneの動きを画面上で再現する検証機」です。

Expoのプレビューで画面が表示されても、iOS向けのネイティブビルドが成功したとは限りません。Expo Goとdevelopment buildの違いにもあるように、利用するネイティブ機能によって確認方法が変わります。

第一段階:Windowsで共通コードを完成させる

最初からMacへ移る必要はありません。次の順番で、Macに依存しない部分を先に固めます。

  1. React Native 0.87の授業やプロジェクト指定に合わせて、Node.jsと依存パッケージのバージョンを確認します。
  2. プロジェクトを作成し、トップ画面、画面遷移、入力欄などの共通UIを実装します。
  3. API通信やデータの受け渡しを追加し、Androidまたは利用可能なプレビュー環境で基本動作を確認します。
  4. package.json、ロックファイル、設定ファイルを変更したら、変更理由をメモします。
  5. 作業単位ごとにGitへコミットし、Macへ移る前にリモートリポジトリへプッシュします。

ここでの「動いた」は、あくまで共通コードの確認です。iOS固有の権限、ネイティブライブラリ、画像処理、通知などを使う場合、Windows上の表示だけでは問題を発見できないことがあります。

React Native 0.87ではStrict TypeScript APIが標準で有効になった点も確認しておきましょう。公式のStrict TypeScript API説明を読み、教材の設定と異なる場合は、自己判断で設定を大きく変えず、まず授業指定の構成を優先してください。

Windows側で先に済ませる準備

Macへ接続してから探し物をすると、短い利用時間でも作業が止まります。次の情報を一つのメモにまとめておくと、切り替えが速くなります。

  • Node.js、React Native、主要パッケージのバージョン
  • package.jsonとロックファイル
  • 起動手順、環境変数、APIの接続先
  • 直前まで動いていたGitコミット
  • 授業が指定するXcodeやiOS SDKの条件
  • Apple Accountの利用可否
  • Mac側で使うSSHまたはVNCの接続情報

Swift Package ManagerのiOS対応は、React Native 0.87の公式情報でも実験的な経路として扱われています。新機能を試す目的がなければ、学習途中で依存関係の管理方式を変更しない方が安全です。

第二段階:Macへ切り替える前に確認する

React Native 0.87のiOS環境では、Xcode、Command Line Tools、iOSプラットフォーム部品、Node.js、プロジェクト依存関係の組み合わせが重要です。Xcodeの対応macOS条件はリリースごとに変わるため、AppleのXcodeシステム要件で安定版の条件を確認してください。

講座からXcode 26.6を指定されている場合は、手元のMacへ勝手に別バージョンを入れるのではなく、指定理由と対応macOSを確認します。Xcode 27のテスト版情報を前提に、初心者の学習環境を組む必要はありません。

作業開始前には、次の三点を分けて考えます。コードを取得する権限、依存関係をインストールする権限、Xcodeでビルドする権限です。リモートMacでは管理者権限やroot権限の有無が環境によって異なるため、必要な操作を先に確認してください。

Macで行う作業を選び分ける

作業 Windows MacまたはリモートMac 判断
JavaScript・TypeScriptの編集 可能 可能 日常作業はWindowsで進める
共通UIと処理の実装 可能 可能 Gitで同期する
Androidの確認 Android環境があれば可能 可能 iOS確認とは分ける
iOS Simulator 不可 可能 Xcode環境が必要
iOSネイティブ依存関係の確認 原則不可 可能 iOS工程で実施
Xcodeによる初回ビルド 不可 可能 Macへ切り替える
実機署名・配布 不可 MacとApple側の設定が必要 課題の範囲を確認する

この表で大切なのは、Macを常時使うかどうかではありません。iOS特有の検証を、コード完成後にまとめて実行できる状態にすることです。

第三段階:リモートMacで初回起動する

SSHMacのMacレンタルプランを検討する場合も、先に以下の手順を理解してから環境を選んでください。短期間の課題なら、必要な期間とXcodeの条件を照合することが重要です。

1. リポジトリを取得する

Macへ接続し、作業用ディレクトリでプロジェクトを取得します。Windowsで最後にプッシュしたコミットと同じ内容になっているか、設定ファイルを開いて確認します。

2. 依存関係をインストールする

プロジェクトの指定に従って依存関係をインストールします。ロックファイルがある場合は、学習者の判断で削除しないでください。依存関係は、アプリを組み立てるための部品箱のようなものです。

3. iOSプロジェクトを開く

必要に応じてiOSディレクトリとXcodeプロジェクトを確認します。Podやネイティブモジュールにエラーが出た場合は、Windowsで追加したライブラリ、権限設定、授業指定のバージョンを照合します。

4. Simulatorを選択する

Xcodeで利用可能なSimulatorを選びます。機種やiOSの組み合わせは、Macにインストールされた部品によって異なります。React Native公式のiOS Simulator実行手順に沿って、まず標準的な起動方法を試してください。

5. Metroを起動する

Metroは、編集したJavaScriptやTypeScriptをアプリへ届ける配達所のような役割を持つ開発用サーバーです。ターミナルでプロジェクトを開き、教材が指定するコマンドを実行してから、iOSアプリを起動します。

npm install
npm start

依存関係の管理方法が異なるプロジェクトでは、npmではなく教材指定のパッケージマネージャーを使います。コマンドを増やす前に、表示されたエラーの最初の原因を確認してください。

6. 初回ビルドを実行する

公式手順に従い、iOS向けの実行コマンドを使います。初回はネイティブ部品の準備に時間がかかることがあるため、画面がすぐ表示されないからといって、同じコマンドを連続実行しないでください。

初回ビルドで確認するのは、画面が表示されたかだけではありません。Metroの接続、画像やフォントの読み込み、権限ダイアログ、エラーの発生場所を記録します。

初回ビルド後に合格と判断する基準

Appleのアプリのビルドと実行に関する説明を基準に、次の結果を分けて記録してください。

  • Simulatorでアプリが起動する
  • 画面遷移と主要な入力が動く
  • コードを変更して再読み込みできる
  • MetroとXcodeのログを保存できる
  • アプリを終了しても、同じ手順で再起動できる

Simulatorで動いたことは、実機での動作や配布可能なアプリの完成を意味しません。実機テストでは署名や端末設定が関係し、配布では証明書やprovisioning profileが必要になります。Appleのprovisioning profileに関する公式説明を確認し、授業が要求していない配布設定を先に進めないようにしましょう。

FAQ:環境を切り替える前の疑問

React Native 0.87はWindowsだけでiOSアプリを開発できますか?

共通の画面や処理はWindowsで作成できますが、iOS SimulatorやXcodeによるビルドはmacOS側で行います。したがって「Windowsでは学べない」のではなく、「iOS固有の確認だけMacが必要」と考えるのが正確です。

React Nativeを学ぶ場合、どの段階でMacが必要になりますか?

共通UI、TypeScript、API処理の学習中はWindowsで問題ありません。iOS固有の権限、ネイティブライブラリ、Simulator、Xcodeプロジェクトを確認する時点でMacへ切り替えます。

リモートMacでReact NativeのiOS Simulatorを動かせますか?

リモート接続先のMacでXcodeとSimulatorを実行できます。画面転送の遅延はありますが、初回起動やiOS固有のエラー確認には利用できます。接続方法はSSHMacのヘルプセンターで事前に確認してください。

ExpoのプレビューだけでXcodeのiOSビルドを代用できますか?

Expoのプレビューは、対応している機能を素早く確認する方法です。しかし、ネイティブモジュール、権限、iOSプロジェクト設定、署名までは完全に置き換えられません。提出物の条件にXcodeビルドが含まれるなら、Macで実行してください。

React NativeでiOSを初めてビルドする前に何を準備すればよいですか?

コード、ロックファイル、環境変数、指定バージョン、Apple Accountの条件を準備します。Mac側ではXcodeとCommand Line Tools、iOS部品、依存関係を確認します。実機や配布が必要な時だけ、署名設定を追加します。

第四段階:一週間続けられる二つの環境の使い方

毎日の編集をWindowsに集約し、区切りのよい時点でGitへコミットします。その後、Macで最新コミットを取得し、iOS Simulatorを起動して確認します。問題が出たら、修正はWindowsで行い、同じ手順でMac上の確認を繰り返します。

次の変更を行った時は、iOS確認を後回しにしないでください。

  • iOS専用またはネイティブ依存関係を追加した
  • カメラ、通知、位置情報などの権限を変更した
  • iOSプロジェクトの設定ファイルを編集した
  • Node.jsやReact Nativeのバージョンを変更した
  • 画像、フォント、プッシュ通知の処理を追加した

初心者向けの切り替え確認リスト

  • [ ] Windowsで最新コードをコミットした
  • [ ] リモートリポジトリへプッシュした
  • [ ] Macで同じコミットを取得した
  • [ ] Node.jsと依存パッケージの条件を照合した
  • [ ] XcodeとCommand Line Toolsの状態を確認した
  • [ ] iOS Simulatorを選択した
  • [ ] Metroを起動してログを保存した
  • [ ] 初回ビルド後に画面、遷移、入力を確認した
  • [ ] エラーが出た場合は最初の原因と再現手順を記録した
  • [ ] 次のWindows作業へ戻る前に変更をコミットした

Windowsだけで最後までiOSを動かそうとすると、Xcode不足、Simulator不足、ネイティブ依存関係の確認不能という制約にぶつかります。自分でMacを購入する方法は長期利用には向きますが、学習初期には費用、保管、OS対応条件の確認が必要です。

授業の提出や短期の検証が目的なら、必要な時だけSSHMacのリモートMacを使う方が、普段のWindows環境を残したままiOS工程を埋められます。まずはSSHMacのMac利用案内で接続方法と利用条件を確認し、課題の期限に合うレンタル期間を選ぶと、不要な買い替えを避けながらReact Native 0.87のiOS確認を始められます。

最終更新日:2026年8月26日。React Nativeのリリース状態と環境要件は公式リリースノート、環境構築ページ、AppleのXcode要件および署名資料を照合しています。